スイス・カジノ依存症対策 「ギャンブル行為、経過、依存と結果の実証的研究」(7)

  • 2015/7/8
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スイスにおけるギャンブルとギャンブル依存症-ギャンブル行為、経過、依存と結果の実証的研究

BASS(Büro für arbeites-und sozialpolitische Studien)(訳: 労働と社会政策研究所)
スイス連邦ゲーミング委員会および連邦法務局の委任を受けて
Kilian Künzi, Tobias Fritschi, Theres Egger 共著 ベルン 2004年11月15日
日本語訳 平沼由紀子
用語/名称について(訳:)とあるのは意味を訳したもので、正式な用語/名称ではない。

依存症の引き起こす問題とその治療

■pathological model(訳:病理学的モデル)の支持者が提案する治療方針によると、そのねらいはギャンブル依存症の病状を引き起こす原因となる状況の改善や原因の除去することである。
禁止や節制が目的ではなく、依存しているものや行為に対する健全な態度の回復をねらいとする。
このようなアプローチは過度に分析的で、ギャンブル依存症のもたらすネガティブな結果に迅速に対応するには適切でない、という批判的論議もある。
自分が病気であると自覚している者は、治療に際しては受動的に振舞いがちであり、なおかつ一般的に、病気というものは、自分の行いにかかわらず罹ってしまうものとみなされている。

■もう一つの立場、addiction modelは、ギャンブル依存症を症状と原因の2つに分け、依存症という状態が患者本人にも社会にもネガティブな結果をもたらすものであるから、その治療を先ず優先し、関連する心理的/社会心理的な問題は後回しにする。
セラピーのねらいはギャンブルの禁止/節制である。
このような方法には、症状にしか照準を当てていないという批判がある。また、従来の投薬治療の主唱者からは、”依存症”という用語の濫用への懸念もきかれる。

■実際には、addiction model単独、もしくは、pathological modelを併用した治療が殆どのケースで行われている。

■以下の様々なタイプの施設による治療プログラムの詳細が明らかになっている:

ギャンブル依存症専門のカウンセリングサービス
依存症一般に対するカウンセリングサービス
負債問題に関するカウンセリングサービス
自助グループ
通院型施設(公共および私立)
入院施設

■今回の調査したどの施設においても、ギャンブル依存症のカウンセリングやセラピーが、他の依存症よりも長い期間を要した事例はなかった。
禁止を達成するまでの期間は、依存性物質への依存症と比べると短い傾向がみてとれる。
一方、心理分析と治療に要する期間はほぼ同等、再発率については、他の依存症と同等もしくはやや高めであった。概して、依存性物質への依存症に比べ、そうでない依存症の方が回復が早い傾向にある。

■専門家へのインタビューから、彼らの間で、何をもってカウンセリングの成功とするかは見解が異なっていた。
多くが2回目か3回目のセッションで脱落していたが、それをクリアした者はおおむね最後まで継続した。殆どのケースではなんらかの改善が確認された。
殆どの施設が、カウンセリングやセラピー終了後数ヶ月~1年間、経過観察をしていた。
私立の精神科からの報告をまとめると、再発率は40%、入院施設においては50~67%を示した。
精神科の治療を受けたカジノ利用者の再発率が最も低かったのはTicino州だが、この地方では治療を受けるには前もって入場禁止措置を申し出なければならない規定があり、また、州内にギャンブルはカジノしかない。

■ギャンブル依存症が起きてから治療に至るまでの経過は、全てのケースにおいて大差はない。

“gambling career”と称するこの経過は3つの局面に分けられる:
positive early phase(訳: ポジティブな早期局面)(勝っている局面)
critical adjustment phase(訳: 危機的な順応局面)(負けている局面)
addiction phase(訳: 依存の局面)(絶望している局面)

■2003年のNett et al.の研究によると、ギャンブルを初めて経験する年齢の中央値は18.5歳。初めて問題に遭遇する年齢の中央値は27.5歳である。
よって、ある人が、初めてギャンブルを経験してから問題にぶつかるまでの期間の中央値は9年である。

■上記のNettの研究でインタビューを受けた人々がmost intensive phase(訳: 最も集中的な局面)に入った年齢は平均35歳(中央値: 29.5歳)。
最初の問題に行きあってから平均4年後(中央値:2年後)であった。most intensive phase は平均41ヵ月(中央値24ヵ月)続いた。
カウンセリングを受けたことのあるギャンブラーは、most intensive phaseの直後、平均38歳(中央値34歳)に最初のセッションを受けていた。
このような結果は、カウンセリングやセラピー施設に送付した我々の質問表への回答によっても裏づけられる。

■大きな勝ち、少なくとも所得に比べて大きいといえるような勝ちは、addictive behaviour(訳: 依存症的な行動)の引き金になる可能性がある。
当人の人生で何か大事が起きた際にも同様の可能性がある。intensive phaseにおいては、それまでに負けた分を取り戻すことが主たる動機付けとなる。

■リスクグループ:
専門家が強調するのは、ギャンブル依存症になるリスクが目立って高いような、特定の職業はみられない、ということである。
勤務時間が不規則な人々(バーやレストランでの仕事、運送業に従事する人々など)はかなりリスクが高い、とする見解の専門家もいる。
また、勤務時間や職場環境の管理が非常に厳しい仕事(銀行業など)や、計算の多い仕事(数学者、IT関連業など)に従事する人々は、よりリスクが高いとする見解もある。
身近にギャンブルの機会が多いかどうかも重要な要素である。
個人の特性をみると、ADS症候群はリスクが高くなる条件としてよく言及されている。同様に、抑うつ、衝動的などの心理的傾向や、非理性的な信仰や迷信も、リスクの高くなる条件としてあがっている。

■依存性を高める特性という点からみると、ゲーミングマシンや、カジノにおけるジャックポットシステムで突出しているのは、ゲームのスピード感と勝ちの効率の良さである。
また、ゲームのルールやマシンのソフトウェアに組み込まれている payout quota(勝ちに伴う払戻し金の倍率)も重要な特性の1つである。
非常に高い倍率はゲームの長時間継続を促しプレーヤーを夢中にさせ、依存の可能性を高める一方、低い倍率は魅力に欠けるルールとみなされている。
一方、ギャンブルを供給する側からは、高い倍率は、顧客獲得のための戦略面であり、施設の存続のためにも不可欠である。
カジノでテーブルゲームをする人々にとっては、高い、時には極端に高い賭け率と、カジノの場の雰囲気、日常生活から引き離された感覚が、依存を誘発し易い最も大きな特性である。
一方、lotteriesおよびbettingsについては、定期的であること以外には依存を引き起こすような特性はないが、スクラッチカードについては、その場ですぐ勝ち負けがわかるという点に依存を引き起こすポテンシャルがある。
インターネット上のギャンブルは、ゲームの種類にかかわらず、その匿名性と、現状ではいかなる規制にも当てはまらない点が、依存を引き起こし易いといえる。

■非合法ギャンブルの種類はごく少ない。最も普及している非合法ギャンブルは、バー内のスロットマシン、レストランでのカードゲームやサイコロ、その他、公の場での私的なゲーム。
また、スポーツへの非合法な賭けや、ポイントのみを競うゲーム機に金銭を賭ける、など。
チューリヒとその周辺で非合法ギャンブルの増加が目立つが、これは、チューリヒ周辺におけるギャンブル機会の増加によるところが大きい。地元のカジノへの入場禁止措置を受けた人々は、
非合法ギャンブルに足を踏み入れ易い。そういう人々はなかなかギャンブルを断つことができない。

■コントロールされた状況下でのなんらかのギャンブルが(ギャンブル依存症のためのメタドン)、problem gamblersの助けになるかどうかについては、専門家の見解は分かれている。
ギャンブルを断つ方法の一つとして、インターネット上のカジノで、ヴァーチャルな現金を賭けてプレーする、という提案があった。
また、数名の専門家によると、賭けてから結果が出るまでの時間が長いギャンブル(ゲーミングマシンを含まない。lotteriesおよびbetting について)は、そうでないものに比べ依存性は低いという。

カジノIRジャパン

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