北野重敏 『パチンコ産業の課題と展望(IRカジノとの比較)』-①

  • 2015/7/29
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『パチンコ産業の課題と展望(IRカジノとの比較)』 連載にあたって

IR(インテグレーテッド・リゾート)は、極めてすそ野の広い施設であり、多様な産業が関わることができる。しかしながら、その中でカジノは、経済的に施設の中核でありながら日本にとっては初めての産業である。ここにどこよりも早くかかわりを持ち、大きな関心を寄せてきたのがパチンコ業界である。

今週から、北野重敏氏の連載を開始する。氏は、旧三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)時代から遊技産業を主な研究対象としてきた。また『カジノジャパン』(雑誌)創設期から、創刊者の室伏哲郎氏の知己を得て、カジノ産業にも研究対象を広げてきた。

カジノ創設に一番大きな関心を持ってきたのは、パチンコ産業である。ユニバーサルエンタテンメントは海外カジノビジネスのパイオニアであるし、現在はセガサミーHD、日本金銭機械など現実にカジノビジネスに大きく踏み出している。
また、ホール企業でもマルハンは、マカオのポンテ16の経営に関わったことがあるし、香港市場に上場したダイナムはマカオ・レジェンドと事業協力を実施したこともある。

これが企業側からのカジノへのアプローチとすれば、顧客側のカジノへの関心も高い。今年、ある業界誌がパチンコホールの顧客に「カジノができたら行くか」というアンケートを取ったところ回答者の6割がイエスと答えている。

ただでさえ、パチンコの遊技人口は減り続けている。そんなパチンコ業界に昨年暮れから激震が起こっている。一番分かりやすい例では今月から台の釘をいじることが厳格に禁止された。
あるいは、パチンコ・パチスロ依存症への積極的な啓蒙活動・・・。これらがIR・カジノ創設と無関係だろうか。

本連載では、今や過去のピークであった貸し玉販売額30兆円から大きく市場規模を縮小したパチンコ産業の現状を厳密に分析しながら、カジノ創設を前提にその未来像を描いてみたい。(稲葉)

(株)アミュゼクスアライアンス
常勤顧問 北野 重敏
(元・三和総合研究所 主任研究員)

はじめに

今般、ご縁が有り、週1回程度の頻度で文章を掲載させていただきます。

ここでは、将来展開するカジノとの比較などの観点で、パチンコ産業の現状、課題と解決の方向性、近未来などについて述べていきたいと思います。

今国会(延長国会、または秋の臨時国会)でIR法案が成立する可能性があります。これにより、カジノを含む統合リゾート(IR)施設が数年後、おそらく東京オリンピック後に日本に開設されることになると考えられます。

ご承知のとおり、日本ではパチンコ店が戦前から営業しています。日本でのカジノはこれからですが、パチンコはレジャー産業として、一時は30兆円規模の巨大産業であり、すでに市民生活の中に溶け込んでいます。

今や、ホール企業には、株式公開企業が存在します。遊技機、周辺システム機器、遊技機販売会社にも上場企業が多くあります。テレビでは、これらパチンコ産業関連企業のCMを見かけない日はありません。

ホールの店舗では、営業管理にコンピューターが不可欠です。パチンコ・パチスロ遊技機は、高度な電子機器で、マンガ、アニメ、映画、歌手など流行のコンテンツが多数採用搭載されています。
まさしくパチンコ産業は、「大データ時代」を戦っていると言えましょう。

同時に、日本のパチンコレジャーは、海外のカジノと比較され議論される機会が多いです。カジノは、「ギャンブル」であり、パチンコは「レジャー」で、明確な相違が存在します。
ここでは、その相違点を順次定義していきたいと考えています。

パチンコ産業の解決すべき課題

一方、パチンコ産業では解決すべき課題も多数存在します。来るべきIRカジノ時代において、パチンコ産業側の現状の課題を以下にキーワードで列挙してみましょう。今後、それらに対して順不同で論を進めていく予定です。

1 今パチンコ業界で発生している課題について
① 遊技人口の減少
② 市場規模の衰退
③ 関連事業者の経営環境激化
④ 遊技機の不正防止対策
⑤ 遊技機の射幸性規制強化
⑥ のめり込み・依存症対策
⑦ 景品交換・三店方式妥当性

2 市場規模について
① ファン離れ
② 遊技マネー激減
③ 他のレジャーとの相関
④ コンピューター社会の伸展

3 パチンコ業界経営陣と監督官庁の方向性について(今、何を考え、何をやろうとしているのか)
① ホール
② 遊技機・周辺機器メーカー
③ 販売会社・商社
④ メーカー
⑤ その他コンテンツプロバイダー
⑥ 行政(主に警察庁)
⑦ 業界団体

4 パチンコ業界の近未来
① 法令制度
② 射幸性
③ 遊技機
④ ファン・遊技者
⑤ 景品交換

5 IR・カジノとの並存について(カジノができたときパチンコ業界はどうなるか)

重ねて述べますが、私は「パチンコ」と「カジノ」とは全く「別物」と考えています。将来、日本でカジノが開設されたとき、先進国の中では「パチンコ」と「カジノ」の両産業を具備するのは日本だけです。

IRに関連する法制度の整備を契機として、市民の余暇を豊かに、海外観光客を誘致する、クールジャパンのコンテンツを活用する…など、日本を活性化するチャンスであろうと考えます。

カジノIRジャパン

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