桜美林大学 山口教授「日本のレジャー産業から見たIR」① – 日本のレジャー市場の推移と構造変化

  • 2015/7/31
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桜美林大学 ビジネスマネジメント学群 教授の山口有次氏は、早稲田大学 ホスピタリティ研究所 客員研究員教授、立教大学 観光学部 兼任講師も務める。日本、世界のレジャー産業、ホスピタリティ産業を長年にわたり研究してきた。山口教授は公益財団法人 日本生産性本部 余暇創研の「レジャー白書」の編集・執筆にも関わる。
今回、山口教授に日本のレジャー産業の現状、そしてカジノを含む統合リゾート(IR)がレジャー産業に与える影響、IRへの期待について語ってもらった。

第1回 日本のレジャー市場の推移と構造変化

1990年代後半から2010年過ぎまで停滞。2012年から緩やかな成長に
レジャー産業の市場規模(余暇市場)の推移を見ますと、1990年代半くらいから長期的に縮小傾向が続きましたが、2012年辺りで下げ止まりました。全体的なレジャー市場の傾向としては、長期低迷を脱し、緩やかな成長軌道に回帰したと考えています。

公益財団法人日本生産性本部の『レジャー白書』によると、2014年の市場規模は72兆9,230億円であり、前年比0.6%増加しました。

レジャー市場は1997年まではマクロ経済動向と連動していました。しかし、1997年以降は、景気に関わらず、縮小傾向となり、2010年過ぎまで縮小が続いたわけです。

長期的な市場縮小の背景は、生活者によるレジャー活動の選択、絞込み
1997年から2010年過ぎまでの長期的な市場縮小の理由ですが、私は生活者がレジャー活動をする際に種目をよりシビアに選択する傾向が強まったためと考えています。
つまり、生活者はレジャー活動の種目を取捨選択し、絞ってきたわけです。

実際、一人当たりのレジャー種目数が長期的に減少していることが明らかとなりました。そうした傾向はレジャー白書の他のデータからも読み取ることができます。

生活者がレジャー活動の種目を絞り込んできた背景としては、1)生活者の消費抑制。可処分所得の伸び悩みや将来の不安に備えて貯蓄を優先、2)新しく、消費を喚起するような面白いレジャーの出現、イノベーションが停滞、3)インターネットとの競合。生活者の財布と時間の奪い合い、などが考えられます。

1997年以降のレジャー市場の伸び悩みの時期とインターネットの普及期は、時期的にも合致します。レジャー白書には生活者の余暇支出全体において、1-2割がインターネットに流れているという調査結果があります。そして、生活者の時間はその倍以上、インターネットに流れています。

私はこの点をいつも強調するのですが、日本人のレジャーが多様化しているとよく言われますが、実は一人当たりでみると、多様化ではなく、むしろ絞っていると考える方が妥当です。
生活者はその絞った種目に、時間(回数)、費用を集中投下しているのです。

レジャー市場では種目別の明暗がはっきり。観光・行楽が好調
この結果、レジャー市場は種目別の明暗が非常にはっきりしています。2014年のレジャー市場において、顕著に明るさが増した種目は、観光、行楽市場です。観光・行楽市場は2013年には前年比4.0%増、2014年には同5.0%増でした。

観光・行楽市場の典型的な支出は、観光地への旅行であり、訪問目的となる施設があり、遠方に出かけるパターンもあります。テーマパーク、遊園地などですね。
有力なテーマパーク、遊園地があるエリア周辺の観光関連施設はおしなべて順調です。また、ホテルは極めて大きく伸びています。

都市部については、日本人の観光・行楽需要の拡大に加え、インバウンドの増加も加わります。大都市のホテル市場は経済全体をはるかに上回る成長率です。

カジノIRジャパン

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