海外レポート:モンゴルにおけるカジノ合法化議論 ー 過去と現在

  • 2015/7/18
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本コーナーは週一回ほどのペースで掲載予定。

佐々木一彰 日本大学経済学部専任講師(著者の紹介は巻末を参照)

モンゴルにおけるカジノ合法化議論 – 過去と現在

大相撲で多くのモンゴル人力士が活躍するなどなどモンゴルに対して親しみを感じる日本人は多い。そのモンゴルが現在カジノ合法化に大きく舵を切っている。

今年(2015年)二月にモンゴルの国会でカジノ合法化に向けての審議が始まるかもしれないというニュースが配信された。モンゴルは日本とは大相撲の他にも1999年から2002年まで世界で一番、経済協力をするなど経済的なつながりは強い。
そして、モリブデンを始めとする地下資源の埋蔵量も世界有数となっており、いわば鉱業生産中心の産業構造であるが、近年、その鉱業生産に頼り切った産業構造を多様化しようとする動きが出てきておりその動きのうちの一つが「国際基準にのっとったカジノ」の合法化である。

モンゴル政府の関係者によると当初は二か所、カジノを合法化しその後、慎重に効果を測定し、許可するカジノの数を増やしてゆく方針とのことである。
2015年の4月の時点ではカジノを管理する法律を作成するプロジェクト・チームが稼働しており、その中には当然のことながらモンゴル警察庁、モンゴル情報省のメンバーが参加し作業にあたっているとのことである。

実はモンゴルにおけるカジノの合法化は今年、急に持ち上がった話ではない。私は何度かモンゴルには経営学関係の学会(参加及び報告)で訪れておりモンゴルの企業関係者およびモンゴルの大学の関係者とも交流があり、かなりモンゴルのカジノの合法化についての沿革の詳細についてインタビューする機会に恵まれた。

モンゴルにおけるカジノの合法化の最初の歴史は今より十数年前にも遡る。モンゴルにおけるカジノの合法化案は1998年に議会で可決され1999年に施行される予定であったわけであるが、カジノ運営会社を巡る入札を巡りモンゴルの国会議員とカジノ運営会社の社長が贈賄容疑で逮捕されたことがきっかけでモンゴルにおけるカジノの合法化が幻に終わってしまったとのことである。
もとより、このモンゴルにおけるカジノの合法化法案はある特定のカジノ運営会社を念頭に国会に提出されたとも噂されていたようである。また、非常に人望のあった大統領候補とも言われていたモンゴルの国会議員が暗殺されたことも相まってモンゴルにおけるカジノは「タブー」と長らくなってきた経緯があったようである。

私は前述の経営学関連の学会でモンゴルの大学で学会報告を行ったが、その時のテーマは「競馬」であった。当然のことながらモンゴルでは当時は金銭を公式に賭ける競馬は存在していなかったが、聴衆は関心を持って私の報告を聞いてくれたようである。
当時ウランバートル空港の近くに競馬を行うためのレーストラックが整備されていない状態で放置されていたことが印象的であった。聞くところによると外資系の資本がモンゴルにおける「競馬」の合法化を期待し、その土地を購入したとのことであった。
2014年にはモンゴルにおける「競馬」の合法化について検討する動きがあったので目の付けどころは非常に良かったようであるが、いささかレーストラックを購入するのは早すぎたようである。

元々、モンゴルは「馬の国」であったので「競馬」についてはそれほどモンゴルの一般の人は悪い印象を持っていなかったようである。ただし、前述のようなカジノを巡る経緯がモンゴルにはあったので「モンゴルにおけるカジノの合法化についてどう思われますか?」という質問をモンゴルで会った人々に聞いたところ「個人的にはカジノは好きだけれども国民感情が許さないと思います」という回答が返ってきた。

その後、2007年以降にも外国人のみが入場可能なカジノを合法化しようとする動きもあったようであるが、現実化しなかったようである。それより時間が経過しモンゴルにおけるカジノに対するアレルギーもずいぶん薄れたので今回のようなカジノ合法化の動きが出てきたようである。

今回のモンゴルにおけるカジノ合法化を見てみると、①外国人のみ入場可、②カジノのライセンスを制限する、③依存症対策を行う。といったところが前回のカジノ合法化案と異なるように思われる。
①については外国人のみ入場可と言った規定は2007年に検討されはじめた案と同じであるが、今回は海外のカジノでプレイしているモンゴル人を国内のカジノに留めることには大きな経済効果があるのでないかという意見がプロジェクト・チーム内から出ておりモンゴル人にも開放する可能性も出てきているようである。
また、②については前回の法案の内容のような国際空港の近く、もしくは経済特区に設置するというある意味漠然とした制限ではなくライセンスは当初は2つであることを明記しているという点が異なるようにも思われる。
また、③の依存症対策であるがエクスクルージョンプログラムを検討しているなど前回の法案に無かった方法が検討されている。これらはすべて海外のカジノを合法化した国々における先行事例を検討した結果であるようで、前回のモンゴルにおけるカジノ合法化の轍を踏まないように期待したい。


■ 著者

佐々木一彰 日本大学経済学部専任講師

専門はホスピタリティ産業とゲーミング産業。ネバダ州立大学カジノ上級管理者養成プログラム修了。文部科学省の助成事業「観光資源としてのカジノ」の代表を務める。

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