IR事業コンソーシアム参画のすすめ(3)「カジノの経験」の「定義」と「要件」の考察

  • 2015/7/23
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第3回 「カジノの経験」の「定義」と「要件」の考察

第1回はIR事業コンソーシアム参画における地元企業、そして全国区企業のチャンス、第2回はコンソーシアムの組成、発展、ファイナンスを説明した。

今回は「カジノの経験」について考察する。現時点では決定事項はないが、今後の「IR実施法」、「自治体の選定基準」、「カジノ管理委員会の許認可要件の設定」において、IR事業コンソーシアムに求められる「カジノの経験」の「定義」と「要件」(そもそも要件となるかどうか)が決定していくであろう。

それは、IR事業コンソーシアム参画を検討する日本企業、外国カジノ事業者の双方にとって大きな関心事である。

現時点では「カジノの経験」の定義、要求レベルは未定

IR事業コンソーシアムがIRを開業するためには、「国による自治体の選定」、「自治体による事業者選定」を勝ち抜き、その後、国(カジノ管理委員会)から許可を取得する必要がある。

IRに関連する人々の中には、国や自治体が選定や許認可のプロセスにおいて、IR事業コンソーシアムに対して「カジノの経験」を要件とする可能性を指摘する向きがある。

現時点では「カジノの経験」の「定義」は未定であり、どの段階でどの程度の「カジノの経験」が「要件」とされるのか、あるいは、されないのかは未定である。
ただ、「IR実施法案の基本的な考え方」において、カジノ管理委員会が定める適格要件の例として「経験等」との記述があるのみである。

今後、IR実施法、自治体の選定基準、カジノ管理委員会の許認可要件において、「カジノの経験」の「定義」、要求レベルである「要件」が決まっていくと考えられる。

日本産業界は危惧。外資カジノ事業者は期待

IR事業コンソーシアムへの参加を検討する日本企業、外国カジノ事業者とも「カジノの経験」の「定義」や「要件」レベルには強い関心を持っている。

日本企業は現時点では「カジノの経験」は持っておらず、その「定義」、「要件」レベルを危惧しつつ、見守っている段階。一方、外国カジノ事業者は外国において「カジノの経験」を持っており、その「定義」、「要件」レベルを期待しつつ、見守っている。

「カジノの経験」の「定義」、「要件」が、日本企業が(金銭を対価として)容易に調達できないレベルとなれば、外国カジノ事業者の存在価値、交渉力が高まるわけだ。

「カジノの経験」の定義

◇IR事業コンソーシアム(新設会社)に要求する「カジノの経験」の定義の想定されるパターン

株主 A%以上の株式を有する株主が、海外において、B以上の規模のカジノ施設をC年以上にわたって所有・運営の経験を有する
役職員 カジノ部門の役職員のうち、X以上の管理・上級職以上のY名(%)以上が海外のカジノ施設においてZ年以上の勤務経験を有する(部門別に設定)
サードパーティ ○○以上の実績を有するマネジメント会社やコンサルティング会社との契約による経験値、専門性の導入

IR事業コンソーシアムは日本に新設される会社である。それに対して、「カジノの経験」を要求する手段としては、「株主」、「役職員」、「サードパーティ」などの切り口が考えられる。

まず、「株主」に対して海外における所有・運営の経験を求めるならば、現時点では、ほぼ外国カジノ事業者に絞られる。この場合、外国カジノ事業者は法制度上、IR事業コンソーシアムに対して参画し、A%以上の株式を獲得することになる。
ただし、この場合でもIR事業コンソーシアムのコアとなる日本企業の交渉力は強い。日本のIRは当初数ヵ所、最大10ヵ所(IR議連の考え方)ほどだが、参入を希望する外国カジノ事業者は20社近くある。需要と供給のバランスの問題である。

「役職員」、「サードパーティ」の定義については、IR事業コンソーシアムの株主構成とは関係性はない。そして、IR事業コンソーシアムが金銭を対価として、調達可能な「カジノの経験」である。
例えば、100%国内資本の場合でも、外国で経験がある役職員を潤沢に採用し、豊富な実績を有するサードパーティと契約できる。

海外における「カジノの経験」の要求の状況

そもそもカジノ施設は世界に1,500ヵ所以上ある。施設毎に規模の大小やセキュリティの強弱はあるが、原則としてサービスは同じである。

カジノ部門の開業や運営の経験・ノウハウは、標準化、流動化が進んでいるコモディティである。とくに、人材の流動性は極めて高い。ゆえに、シンガポールなどごく一部の例外を除けば、世界各国においては自国企業が中心となってカジノやIR施設を運営している。
シンガポールは都市国家という特殊性ゆえ、外国カジノ事業者(の子会社)を招聘した。

海外において、「経験」を強い要件とするケースは、競争が厳しく、収益確保に高度なノウハウが必要な市場における事業者選定プロセスにみられる。
日本はアジア各国と同様に、各IR事業者に大きな商圏を寡占させる制度設計。日本のIR事業コンソーシアムに求められるノウハウは、収益極大化のノウハウよりも、むしろIRの目的である観光、文化発信、地域創生の効果を最大化するノウハウであろう。

ちなみに、シンガポールの事業者選定における評価基準では、コンソーシアムの強さや経験の配点は10%に過ぎなかった。

◇シンガポールの事業者選定における評価項目と配点シェア

評価項目 配点シェア
観光施設の魅力、広域観光への貢献 40% ~ 45%
開発投資の金額 25% ~ 30%
建築デザインの卓越性 20%
コンソーシアムの財務力、経験 10%

 

カジノ以外の「日本におけるIR目的事業の経験」の重要性

ここまで「カジノの経験」について考察してきたが、IRにおいては「カジノ以外の経験」も重要であり、そこに要件を設ける考え方もあろう。

IRの実現にはさまざまな「経験」が重要である。IRは開業後にホストコミュニティの地域社会の一員として、各ステークホルダー間の意見や利害を調整して運営する必要がある。「地域社会における調整の経験」は重要であろう。

言うまでもなく、IRはカジノ施設だけでなく、ホテル、エンタテインメント、MICE、文化施設など多様なコンポーネントを有する(カジノ部門は面積では5%未満、アジアの制度では売上高の80%強)。
そもそも、カジノは手段であり、IRの本来の目的はカジノ以外のIR内の施設群整備、都市開発であり、広域観光、文化発信、地域創生である。
こうした「IR目的事業の経験」も重要であろう。

これらはIR区域内の開発・運営に閉じた経験ではない。むしろ、日本、当該地域の周辺の自治体、産業界との関係性に精通する必要があり、「日本あるいは当該地域における経験」が重要である。

「日本独自の新しいIR」を実現できる制度設計を

日本のIRは海外既存施設のコピーではなく、「日本独自の新しいIR」が望まれる。これは、IR関係者のほぼ一致した見解であろう。

「アジア諸国の台頭」「人口減」に直面する日本にとって重要なことは「新しいことへのチャレンジ」である。IRも新しいことへのチャレンジの一つ。
新しいことにチャレンジする日本の産業界に対して、「経験がない」ことを過度に足枷とする制度は存在すべきではない。

カジノIRジャパン

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